ワイナリー
家族経営のブドウ園
シャトー・クラリスとその歴史
比類ないブドウ園で紡がれた美しき家族のストーリー ― 「2年間探し続けた結果、理想的なテロワールと素晴らしい気候、80%メルロー、20%カベルネ・フランという理想的な組み合わせがすべて集結した最高の場所を見つけたのです。ここなら香り豊かで繊細なワインが作れると、直感しました。」
チャレンジを愛し、ワインを愛するディディエ・ル・カルヴェス氏と妻のオリヴィアは、2010年以来、世界遺産でもあるボルドーの衛生地区の一つ、サン・テミリオンで素晴らしいワインを作り続けています。
ディディエ・ル・カルヴェス氏のワインとブドウ園に対する情熱は、彼の子供時代までさかのぼります。当時、彼は休暇をカドジャックの祖母の家でよく過ごしていました。以来ディディエ氏は、ぺサック・レオニャンでブドウを栽培している農家から70年代のカリフォルニア最大のブドウ園の誕生にいたるまで、いつもワイン市場の成熟に興味を持ち、特に後者には文字通りアメリカンドリームを感じていたと言います。妻のオリヴィア・ル・カルヴェス氏もまた、オー・メドックのブドウ畑の真ん中で過ごしたという子供時代を覚えており、この気品あるワインの本当の味を味わってきたという経歴の持ち主です。こういったブドウ畑に囲まれた子供時代の思い出が、そのまま人生の夢となったのが、自身のブドウ園を持つことでした。
2007年から数年かけて場所を探し求めた夫妻がその実現に選んだのが、このジロンド県の村、緩やかな右岸に広がる緑の丘陵地帯でした。元はエスタジエ家が1世紀以上維持してきたという巨大なワインセラー、美しいブドウ畑(およそ100m四方)を備えたこの古いワイナリーは、サン・テミリオンの4衛生地区の一つであるピュイスガンの高原にあります。しかもドルドーニュ川の支流バルバンヌ川のやわらかな流れの向こうには、もう名高い街が広がっているという好立地でした。
こうして、美しい家族の物語と共に、夫妻の愛娘クラリス(初のワインボトルが完成した2010年、彼女は1歳を迎えました)の名前が冠された、シャトー・クラリスが誕生したのです。
比類ないブドウ園で紡がれた美しき家族のストーリー ― 「2年間探し続けた結果、理想的なテロワールと素晴らしい気候、80%メルロー、20%カベルネ・フランという理想的な組み合わせがすべて集結した最高の場所を見つけたのです。ここなら香り豊かで繊細なワインが作れると、直感しました。」
家族経営のブドウ園
ディディエ・ル・カルヴェズ(Didier Le Calvez)略歴
アーカイブ写真、ディディエ・ル・カルヴェズとエリック・ボーマール、ジョルジュ・サンク、1999年。
ラグジュアリーホテル業界で40年以上にわたり第一線で活躍してきたディディエ・ル・カルヴェズは、2009年、ピュイスガン=サン・テミリオンにおいて新たな挑戦に踏み出しました。
それが、彼の厳格な基準にふさわしいワインを生み出すことを目的とした シャトー・クラリス(Château Clarisse) の創設です。
このプロジェクトは、家族への深い愛情と、世界中の著名なワイナリー、レストラン、ソムリエ(とりわけエリック・ボーマール氏)との交流を通じて培われた感性によって育まれた長年の夢の実現です。
ニューヨークの「ザ・ピエール」やパリの「フォーシーズンズ・ホテル・ジョルジュ・サンク」など、名だたるホテルを率いてきた彼は、ホテル経営で培った緻密なオペレーションと細部へのこだわりをブドウ栽培にも活かし、純粋でエレガント、そして生命力にあふれたスタイルを追求しています。
ジロンド県の高台に位置するシャトー・クラリスは、粘土石灰質の卓越したテロワールに恵まれ、アグロフォレストリー(農林複合経営)を取り入れています。
2010年以降、ブドウ畑の約70%を再構築し、極めて高品質な樹体と独自のブドウ品種構成を確立しました。
プティ・ヴェルド(Petit Verdot)、カルメネール(Carménère)、プティ・マンサン(Petit Manseng)といった、地域でほとんど見られなくなった伝統品種も復活させています。
テクニカル・ディレクターのジュリアン・ヴィオ(Julien Viaud)のもと、赤ワインは主にカベルネ・フランとメルローを用い、サン・テミリオンの伝統を継承しています。
2027〜2028年には白ワインが全生産量の約35%を占める見込みで、主にシャルドネを中心に、セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、そして少量のプティ・マンサンを組み合わせた、洗練されたプレミアム・キュヴェの生産を計画しています。
家族経営のブドウ園
ジュリアン・ヴィオ(Julien Viaud)略歴
「ジュリアンは私たちのブドウ畑の再構築を導いてくれました。 彼の全体的なビジョンと醸造への影響は非常に重要です。 シャトー・クラリス独自のアイデンティティを定義するうえで、彼の貢献は欠かせません。 この協働を心から嬉しく思っています。」 ― ディディエ・ル・カルヴェズ(Didier Le Calvez)
ジュリアン・ヴィオは、モンペリエ高等農業学校(Montpellier SupAgro)を卒業した農学技師・醸造学者です。
フランス南部で45ヘクタールの家族経営ワイナリーを率いた後、2006年にミシェル・ロラン氏のチームに加わりました。
2020年からは ロラン&アソシエ(Laboratoire Rolland & Associés) の共同経営者として活動しています。
リブルヌ出身でイタリア系の血を引く彼は、インド、南米、中国、レバノンなど、世界各地でコンサルティングを行ってきました。
その幅広い経験が、テロワールの個性を最大限に引き出す、実践的かつ精密なアプローチを生み出しています。
2018年より、オーガニック認証(2019年取得)を受けたシャトー・クラリスの醸造を監修し、ピュアでエレガント、そして活力に満ちたスタイルを確立。
赤ワインはメルローとカベルネ・フランを中心に、白ワイン(セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、プティ・マンサン)によって爽やかさと張りをもたらします。
さらに、プティ・ヴェルドやカルメネールといった稀少品種が、ワインに複雑さと深みを加えています。
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terroir
A perfect localisation and soil for a diversified vineyard
現在、ブドウ畑は21ヘクタールまで拡大し、そのうち3ヘクタールは、標高100mのサン・テミリオンの石灰岩台地に茂る森です。
並外れた「ヒトデ石灰岩」も含まれた、粘土に石灰岩の混じる土壌です。
メルロー 35%、カベルネ・フラン 60%、カルメネールとプティ・ヴェルドがそれぞれ5%。いずれもボルドー地方を代表するブドウ品種であり、2020年からはシャルドネも加わっています。 ブドウ畑の60%は創設以来に再植樹されたものであり、さらに45年から75年の樹齢を持つ古木が15%を占めています。
土壌とブドウを守るため、手摘みでの収穫を行っています。